分からないけど庭に緑を入れたい! 植栽のキホン
こんにちは。エクスマイルです。
外構・エクステリアを計画するときに、外構プランで植栽を提案してもらっても、
「これでいいの...?」
など、知識なしに植栽プランの良し悪しを判断するのは難しいですよね。
今回は、これだけは抑えておきたい植栽のキホンです。
「街づくり計画で必ず植栽を入れなければならない...」
という地域に新築なさる方や、
「よくわからないけど、デザイン的に植栽を入れるといいよなぁ...」
とお考えの方、ぜひチェックしてみてくださいね!
- 目次
- エクステリアに植える木や植栽の分類って?
- 家の象徴・シンボルツリー ・シンボルツリーとは
- 名脇役のサブツリー ・サブツリーとは
- 地面を覆うグランドカバー ・グランドカバーとは
- まとめ
・シンボルツリーにオススメな落葉樹(ハナミズキ/アオダモ)
・シンボルツリーにオススメな常緑樹(ソヨゴ/ヤマボウシ)
・サブツリーにオススメな落葉樹(ユキヤナギ/ブルーベリー/イロハモミジ/カシワバアジサイ)
・サブツリーにオススメな常緑樹(ヒラドツツジ/アオキ/カリフォルニアライラック/ナンテン)
・グランドカバーにオススメ(アイビー/シバザクラ/タピアン/プラティア/ツルニチソウ/ヒメツルソバ/芝生)
1.エクステリアに植える木や植栽の分類って?
植栽は、見栄えのいいように適当に植わっているようですが、実は3つの分類に分かれて考えられています。
まずは家の中心、シンボルになるような木を《シンボルツリー》に決めてから、《サブツリー》や《グランドカバー》を配置していきます。
自然界でも高い木、低い木、草花までバランスをとって生えているので、バランスよく配置すると自然で見栄えもいいです。
それでは、ほんの一部になりますが、オススメの植栽や特徴を見ていきましょう!
2.家の象徴・シンボルツリー
シンボルツリーとは
シンボルツリーは、門まわりやアプローチ周辺に植える、植栽計画の中心となる植栽です。
背丈の高めのきれいな樹木を選びましょう!
シンボルツリーを決める際は、建物の高さとのバランスや成長後の大きさも考えます。
家のシンボルになる存在のシンボルツリーを何にするかによって住まいの印象が大きく変わるため、こだわって選びたいですね。
シンボルツリーにオススメな落葉樹
落葉樹とは、季節によって葉を落とす樹木のことです。
落ち葉を掃除する必要がありますが、季節により様々な表情が楽しめるため、落葉樹をシンボルツリーに選ぶ方もたくさんいらっしゃいます。
ハナミズキ
「薄紅色の~」の歌でも有名な、とても柔らかい印象のうすピンク色の可愛らしい花(総苞片...花のつけ根の葉)が咲く植栽です。
季節ごとに花・紅葉・実が楽しめます。
開花時期は4~5月で、街路樹・シンボル樹として人気が高いです。
アオダモ
白っぽい木の幹の表情が特徴的な、シンボルツリーにも人気なアオダモは、年月を重ねることによって木肌の模様がはっきりしてきます。
地面から数本の幹が伸びる、スッキリした樹形をしています。
5月頃に小さい白い花がまとまって開花し、目にも楽しい樹木です。
シンボルツリーにオススメな常緑樹
常緑樹は一年中葉を落とさず落ち葉掃除が必要ない分、落葉樹よりお手入れが簡単な樹木です。
シンボルツリーにオススメな常緑樹を見ていきましょう。
ソヨゴ
さらさらと重なり合う濃い緑色の葉がの音が心地よく、開花時期は5~6月、秋にはかわいい真っ赤な実を付けます。
まっすぐに上に伸びる一本立ちや複数の幹を持つタイプに分かれますが、横に広がりにくい樹形なので、スッキリと見せたい場合におすすめです。
ヤマボウシ
ヤマボウシは先程ご紹介したハナミズキの仲間の樹木です。
落ち着いた雰囲気があり、梅雨時の5月下旬~7月に白い清楚な花(総苞片...花のつけ根の葉)を咲かせます。
緑に花の白が映えます。
以上、シンボルツリーのご紹介でした。
それでは、サブツリーを見ていきましょう。
3.名脇役のサブツリー
サブツリーとは
シンボルツリーに合わせて人の背丈と同じくらいか低めの低木を選ぶことが多い、植栽界の名脇役です。
サブツリーに使われる樹木は多岐にわたり、種類が豊富で住まいを彩る役割を持ちます。
サブツリーにオススメな落葉樹
ユキヤナギ
雪が積もったようにも見える花と、葉っぱの様子が柳に似ていることから、ユキヤナギと言う名がつけられたと言われています。
日当たりの良い場所を好み、春先の3~5がつ頃、垂れた枝先の長い穂に小さい白い花がたくさん咲きます。
白い小花や垂れた枝のようすが、とても優しげに見える植物です。
ブルーベリー
皆さまご存知の、目に良い果実のなる果樹です。育てやすく、比較的手軽に美味しい実を楽しめます。
栽培用には大まかにハイブッシュ系とラビットアイ系に分かれており、種類により暑さや寒さに強い傾向が異なるので、業者さんに相談しながら選ぶと良いでしょう。
食べるのが目的なら、粒が大きくて果皮が柔らかめなハイブッシュ系もオススメです。
イロハモミジ(正式名:イロハカエデ)
カエデの一種。
暖かい場所の水辺に自生する強さを持つ、日本の新緑や紅葉を代表する落葉広葉樹です。
イロハモミジの成葉が7つに裂けた形になることから、「イロハニホヘト」の7文字をあてて、イロハモミジ(イロハカエデ)という名前になったそうですよ。
カシワバアジサイ
アジサイの一種です。
カシワバアジサイはボリューミーな円錐状の白い花房をつけます。
開花して時間を経ることにより、花弁の色が徐々にピンクや緑に変化していきます。
秋には大きな葉が茶色~紅色に色づき、紅葉も楽しめます。
サブツリーにオススメな常緑樹
ヒラドツツジ
ツツジの一種で、大きなタイプの樹種です。公園などにもよく植えられています。
開花は4~5月の梅雨前になります。
品種が多く、花の色も赤・白・紫・ピンクなどがあります。
アオキ
北海道南部から沖縄まで分布する、常緑低木です。
関東より西の地域では、雑木などいろいろなところで見かけられます。
丈夫で耐寒性が強く、日影にも強いため、日のささない場所にも植えられます。
まだら模様の葉を持つ種類もあります。
セアノサス(カリフォルニアライラック)
深緑の葉と鮮やかな青紫の花が美しい常緑低木です。
「パシフィックブルー」という青い花が咲く品種がよく見られますが、白やピンクの花を咲かせるものもあります。
まれに落葉性の品種もあり、品種により葉っぱや花の特徴も異なるので、植える際は業者に必ず確認をしましょう。
開花時期は梅雨前の4~6月、北米原産のため高温多湿を嫌うので、風通しの良い管理を心がけるとよく育ちます。
ナンテン
赤い実が特徴的な常緑低木です。冬に軽く紅葉します。
「ナンテン(難を転ずる)」という由来から、厄除けや縁起の良い植物として親しまれています。
和風の印象が強いので、ジャパニーズモダンなお家にも合わせやすいでしょう。
以上、サブツリーのご紹介でした。
最後に、グランドカバー(下草)を見ていきましょう。
4.地面を覆うグランドカバー
グランドカバー(下草)とは
下草とも呼ばれることのある、植栽の根本辺りや地面に草花を敷き詰めて植えるものを、グランドカバーといいます。
グランドカバーで地面を覆うことにより、土をそのままにするよりも雑草が生えにくくなります。
また、常緑のものやかわいい花をつけるものもあり、緑の効果で植栽スペース全体が引きしまり、華やかに住まいを演出します。
人が踏むことが多い場所には、踏圧に強い種別を選びましょう。
グランドカバー(下草)にオススメな植栽
アイビー
鉢植えを吊るしたりして室内でも観葉植物として親しまれるアイビーは、水はけに気をつけつつも、水やりはたっぷりめに行います。
半日陰でも育ちますが、緑のきれいな色を好むなら、明るい場所で育てると良いでしょう。
シバザクラ
シバザクラの敷き詰められた公園などもあるように、這うように繁殖するグランドカバー向けの植物です。
春に桜に似た5枚の花びらを持つ花を咲かせます。
強い品種のため、手入れは楽ですが、ほうっておくと雑草が生えることもあるので、雑草を見かけたら抜きましょう。
タピアン
「雑草よりも強い!」と言われることもある品種で、4~11月の長い期間、薄ピンクや赤、紫色の花を楽しめます。
花の色を混ぜたいときは、それぞれ株を寄せて植えると良いでしょう。
プラティア
半日陰に適した品種です。踏まれる力には弱いので、人が立ち入らない場所に植えましょう。
小さな星型にも見える可憐な花と、濃い黄緑~緑色を持つ可愛らしい見た目で、5~11月にかけて花を楽しむことができます。
ツルニチニチソウ
「優しい追憶」「楽しい思い出」という優しげな花言葉を持つ、白い縁取り模様のような大きめな葉を持つ常緑多年草植物です。
3~6月に咲く濃い青紫の花もきれいで、大きめな葉っぱも見ごたえがあります。
害虫に強く、つる性で強い生命力を持つため、グランドカバーとしても人気です。
ヒメツルソバ
真夏以外は薄いピンク色の小さな花をつける、這うように育つ多年草です。寒さにはやや弱いものの暑さに強く、育てやすいでしょう。
茎の色が赤く葉が濃い緑なので、他の植栽との組み合わせにより面白い表現ができる植物です。
芝生
皆さんご存知の芝生。
刈り取りや雑草の手入れは必要ですが、日当たりの良い場所できれいに生えそろうと、とても美しいです。
以上、グランドカバー(写真)のご紹介でした。
先日アップした「植えてから後悔しないための《犬にも優しいガーデニング・グランドカバー講座》」でも、グランドカバーを解説・ご紹介しています。ぜひご覧ください。
5.まとめ
植栽の楽しみ方はもりだくさん。
目的(目隠しなど)から選んだり、植える方角や樹高から考えたり、マイホームのデザイン・テイスト(和風・洋風・モダン・ナチュラル)に合わせたり、家族で収穫を楽しむために実がなるものを植えたり。
植栽はいろいろな楽しみ方ができ、かつ木々の成長が家族の歴史を彩ってくれます。
一般社団法人 日本植栽協会が提唱している「誕生日の木(外部サイト)」というものもあるので、家族の誕生日や新築へのお引越し日にちなんだ樹木にしてみたりするのも楽しいかもしれませんね。
家族のライフスタイルに合った植栽は、マイホームでの暮らしを豊かにしてくれること間違いなしです!